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経歴

千葉県船橋市出身。銀座の美容室で5年間勤務。その後13年にわたり業務委託型サロンでエリアマネージャーとしてマネジメントを経験。「給料も高く、客単価も高く、ブランドイメージもある美容室をつくりたい」という想いから、2021年に株式会社ECLARTを設立。全席個室・業務委託型という独自モデルで、創業わずか5年で全国45店舗へと拡大した。  

ECLARTをつくろうと思ったきっかけ

17年ほど前、私は当時台頭していた低価格の業務委託サロンで働いていました。カットとカラーで3,500円という価格設定で、回転率を重視し、一日に何十人ものお客様を受け入れるスタイルです。若いうちは体力に任せて稼げますが、月に350時間も働かなければならないような環境でした。ふと周囲を見渡したとき、「40代、50代になってもこの働き方を続けられるのか」という強烈な危機感に襲われたのです。

低価格帯のサロンは、「安さ」が提供価値の核となるため、どうしても数に頼る労働環境になります。しかし、美容師も年齢を重ねれば体力的には厳しくなる。一方で、単価を上げようとすればお客様は離れてしまいます。このような矛盾を解消するには、最初から高単価の設定で集客し、頑張った分がしっかりと報酬に反映される業務委託を組み合わせるしかないと考えたのです。

一時は倒産の危機も…

創業2年目で、短期間で4店舗出店したことで想定以上に資金が流出してしまったんです。さらに集客施策の判断ミスも重なり、一時は現金が枯渇寸前まで追い込まれてしまった。当時はそのストレスが、睡眠や食欲にも影響し、「独立しなければよかった」と感じるほど精神的にも厳しい時期もありました。  

乗り越えた力とは

その時期の資金繰りで役立ったのは、10年前から積み立てていた個人年金の活用でした。短期的な資金確保で時間をつくり、経営を立て直すことができました。ただ、本質的な変化は資金調達ではなく、その経験以降に生まれた「資金が減る感覚への感度」だったと思います。あの大変な経験を経て、「危険な兆候」が分かるようになったのは、自分の中の資産になった。それ以降は、出店判断・固定費・集客投資に対して“増やす力”だけではなく“残す力”を重視する経営へ転換できたんです。 

大切にしていること

徹底した「美容師ファースト」を貫く

シャンプー台は業界最高峰の「YUMEシャンプー」を全店に導入し、美容師にとっての施術のやりやすさを考えたり、薬剤に関しても特定のメーカーとのしがらみで決めるのではなく、現場のスタッフが本当に良いと思ったものを採用しています。良い薬剤や最新の機械を使える環境は、美容師のストレスをなくし、最高の結果を出すための助けとなります。こうした一つひとつの積み重ねが、結果としてお客様に選ばれる理由になると考えています。

また、「結果を出している人間には自由を、そうでない人間には道筋を。」というスタンスを大切にしています。全席個室という環境も相まって、スタッフはお互いの技術に干渉せず、目の前のお客様に集中できます。一方で、独自のデータ管理システムでリピート率などを可視化し、改善が必要なスタッフには最適な指導を行います。人事についても基本的には個人の裁量を尊重しており、本人が望まないのに無理に店長をやらせるようなこともしません。適材適所で、その人が一番輝ける働き方を選べる環境こそが、高い定着率と生産性につながっています。

個の力を活かす

誰でも同じにする仕組み化だけに頼ると、価格競争にしかならない。実力のある美容師を束ね、個々の強みを発揮させる設計が美容室の勝ち筋。

言い合える文化

調子が良い時ほど教育に力を入れる。クレームや改善点を気まずいからと見逃さず、全マネージャーが指摘・対策できる組織をつくる。

現場を離れない

今でも月10日現場に立つのは、現場を知るオーナーの方がスタッフが信頼しやすく、新しい薬剤導入などの意思決定もスムーズになるから。

美容師が抱える「将来への不安」を
「一生涯の安心」へ変える

目指しているのは、美容師が40代、50代、その先も安心して身を置ける持続可能な仕組みの構築です。従来の美容業界は、若い労働力の使い捨てに近い側面がありました。しかし、今の仲間たちが年齢を重ねたときにも、「この会社にいてよかった」と思われるようなビジネスモデルを形にしたいと考えています。

そのために、今後は「モッズ・ヘア」との提携によるエクステ&ブリーチカラー特化サロンの展開や、アイラッシュサロン、明るい白髪染め特化サロンなど、年齢やライフステージの変化に応じたキャリアの受け皿を広げていきます。多様なブランドを持つグループとなることで、50歳、60歳になっても美容師として輝き続けられる環境を本気でつくっていく準備をしています。

10年後に150店舗規模という計画を掲げていますが、それはあくまで手段に過ぎません。単に数を増やすのが目的ではなく、社内で育ったスタッフたちが次々と独立し、オーナーとして活躍できる場を広げていった先にある数字です。仲間たちがそれぞれ複数の店舗を運営するような、自立した経営者の集団をつくっていきたいと考えています。



私の考えるECLARTの真の目的は、美容師という職業に付いて回る「将来への不安」を「一生涯の安心」へ書き換えることです。若いうちは高単価な環境で技術を磨き、年齢を重ねれば特化型の技術で負担を抑えて働く、あるいは経営側に回って仲間を支える。こうした多様な選択肢をグループ内に持つことで、美容師が一生、夢とロマンを持って働き続けられる場所につくりたい。その未来図に向けて、私たちは歩みを止めることはありません。


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